Archive for the ‘成年後見ニュース’ Category

成年被後見人の選挙権行使に関する成年後見人の対応について

2013-07-10

広島も梅雨があけて毎日暑い日が続きますね。

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さて、「成年被後見人の選挙権回復等のための公職選挙法などの一部を改正する法律」が6月30日に施行され、この法律により、公職選挙法から成年被後見人が欠格条項から削除されました。

そして大阪司法書士会において、今回の改正に関する対応について、成年後見人の指針が発表されました。

その内容としては大きく次の内容です。

① 成年後見人は成年被後見人に対し、実施される選挙について、選挙権可能である旨を告知する。

② 成年被後見人が、選挙権行使の意志を表明した場合、利用できる選挙制度を検討し、必要な手配を行うなど成年被後見人が投票を円滑に行えるよう務める。

③ 成年後見人が、自ら支持する政党名や候補者名を告げたり、自らの支持・不支持に関係なく全ての候補者に関して感想や評価を告げるなど、成年被後見人の投票行動に影響を与える行動をしない。

これまで、成年被後見人に選挙権は認められていませんでした。

しかし、今回の法律改正により選挙権が認められたのは本当に喜ばしいことだと思います。

これは、私の友人の司法書士が成年後見人を務めている方の話なのですが、ご本人が認知症を患うまで、政治がとても大好きだった方がいらっしゃいます。

その方は、選挙に行くことを非常に楽しみにしていて、成年後見人がついたことにより選挙に行けなくなったことを非常に残念がっていたとのことです。

ご本人は成年被後見人になってしまいましたが、日常会話はある程度でき、今でも新聞を読んで政治のことを勉強されているので今回の改正をとても喜んでおられたようです。

そして今回の選挙は友人の成年後見人が選挙に同伴するようです。

成年後見人は「事理弁識能力を欠くとき」に家庭裁判所で選任されます。しかし、成年後見人の規定の制度趣旨は「ご本人が最期まで自分らしく生きていくこと」だと思います。

今回の改正によって、ご本人の要望が叶えられて本当に良かったと思います。

今度の選挙には一人でも多くの成年被後見人がいけたらと思います。

今週も残り半分、頑張って乗り切りましょう!!

家庭裁判所の裁判官を増員

2013-05-15

こんばんは。
火曜日担当の瀬川です。

さて、1月6日の読売新聞で、家庭裁判所の裁判官を増員するという記事が出ていました。

近年、成年後見人選任の申立や離婚等の審判や調停が急増したことから、最高裁は今年の4月から家庭裁判所の裁判官を20人から30人増やす方針を固めました。

今年1月には、新しい家事事件手続法が施行され、今後も成年後見や離婚などの家事事件の申立がさらに増えることが予想され、態勢の強化を図ることがねらいのようです。

裁判官は2002年から10年で、約600人増えましたが、多くは刑事、知的財産などの専門分野に配置され、家庭裁判所への重点配置はなかったようです。

しかし、成年後見人の選任や監督処分の事件に関しては、後見制度ができた2000年に比べ、9.1倍に増加しました。また離婚に関する調停・審判事件も増え、離婚後の親子の面会交流や、養育費を巡る事件の増加から、今回の家庭裁判所の裁判官の増員が決まりました。

今後、家事手続きがよりスムーズに進むことになるかと思いますが、今後どのように変わっていくのか注目したいですね。

被成年後見人に選挙権を

2013-05-15

田村です。
最近は桜の写真ばかり載せています。
早く桜が咲いてほしいです。

さて、日本にはこんな法律があるのをご存知ですか。

公職選挙法第11条
次に掲げる者は選挙権及び被選挙権を有しない。
一 成年被後見人

成年後見制度は、精神上の障害により判断能力が欠けているのが通常の状態にある方の保護・支援をするための制度ですが、一方で上記のとおりこの制度を利用すると選挙権を失う、印鑑登録を抹消される等の効果も発生します。

この公職選挙法の規定が「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」とする憲法15条に反するではないかとして争われた裁判の判決が14日東京地方裁判所で出され、結果は原告勝訴。

つまり、公職選挙法第11条の規定は憲法に違反であるというものでした。

その理由として、選挙権は国民に保証された基本的な権利でこれを奪うのは極めて例外的な場合に限られる。
財産を管理する能力が十分でなくても選挙権を行使できる人はたくさんいるはずで、制度の趣旨が違う。
といったものでした。

法律や裁判というものは何となく無機質で、血も涙もないように感じますが、裁判長は最後に原告にこう語りかけたそうです。
「どうぞ選挙権を行使して、社会に参加してください。どうぞ胸を張っていい人生を生きてください。」
法廷には拍手が鳴り響いたとのこと。

うーん。
いい話だ。

今日はこの辺で(^^)/

高齢化社会における男女共同参画

2012-11-13

ユニ・チャームが、紙おむつの生産を大人用にシフトしていくという計画を発表しました。来年の3月には、子供用紙おむつを初めて逆転する見込みだそうです。高齢化の波を実感しますね。2030年には、65歳以上の人口が3685万人となり、3人に1人が高齢者という時代が来るそうですから、ケアが必要な人が増えていくということでもあります。大人用オムツへのシフトは、必然ともいえますね。

加えて、先日の日経新聞には、現在の男女共同参画は、少子化が進む中で、出産・育児と仕事の両立に主眼が置かれているけれども、今後は介護(ケア)との両立を主眼にした男女共同参画の時代がやってくるとありました。確かに、以前は「親の介護は嫁の仕事」というような風潮が国内にあったと思いますが、経済が低迷しているこの日本においては、共働きの世帯が急増するとともに、子供の数は減少しているのですから、いままで妻や姉妹に介護を頼っていた男性達も、親の老後のことを自分が介護する立場として受け入れていかなければならないでしょう。

我が家も、私も夫も二人兄弟、共働き、互いの実家が離れていると、互いの親の介護に障害になる条件を抱えています。成年後見の仕事に奔走する今日この頃、早めに親と話し合い、親が自分らしく最後まで安心していきていくことのできるよう、準備をしなければいけないなあと、感じています。SOLYで出版する予定のエンディングノートをプレゼントしようかなあ。。。

任意後見契約を結ぶということ。

2012-11-05

先日、ニュースで掲載されていましたが、認知症の男性に、投資信託を販売して損害を与えたとして、男性側が大和証券に820万円の損害賠償を求めた裁判があり、和解により大和証券側が男性に600万円を支払ったそうです。男性はその他にも中央三井信託銀行にも約1030万円を求めているそうです。

男性の金融商品の購入額は、平成15年までは240万円程度だったのに、平成18年には、2社で約5530万円にものぼったそうです。この男性が認知症と診断されたのは平成20年でしたが、あまりの多額の投資購入をみると、おそらく平成18年頃からは判断能力が低下していたと考えられます。判断能力の低下に乗じて、証券会社の外務員が違法な勧誘を行っていたと男性側は主張していたのですが、おそらくそうなのでしょう。

この男性が今回裁判上の和解にまで持ち込めたのは、平成21年に成年後見開始決定を家庭裁判所で受けたからです。

成年後見とは、判断能力が不十分になった方々を保護し支援する制度です。
もし、認知症等で判断能力が不十分になると、例えば、不動産や預貯金等の財産を管理したり、身の回りの世話のための介護などのサービスを受けるための契約をしたり、施設に関する契約などを自分ですることができなくなります。

また、高価な布団の購入や無駄リフォーム等、悪徳商法被害にあう恐れや、先程の記事のような違法な勧誘による投資信託の購入をしてしまう危険もあります。

しかし、成年後見人を家庭裁判所で選任しておけば、成年後見人は、裁判所の指導の下に、その人の財産を守ってくれたり、間違った契約をした場合には取り消すことができます。

成年後見人というのは、家庭裁判所が選任した司法書士や弁護士などの専門家がなりますが、家庭裁判所が認めれば親族の方もなることができます。
ですが、その時点では、すでに本人は認知症になっているので、本当に成年後見人として自分の財産を守ってほしい人を自分で選ぶことができません。

そんな時、前もって、自分が認知症になった場合に、その後の財産を管理してくれる後見人を決めておいたり、自分の財産の使い道をその後、どのようにしてほしいかを決めておいたり、自分の死期に際しての財産分けや、葬儀等の様々な死後事務の事等を事細かに決めておきたいと思った場合には、「任意後見制度」というものがあります。

これは、あらかじめ元気なうちに、「任意後見契約」というものを公正証書で作っておき、そして本当に認知症になった時は、その任意後見契約書で決めた人に後見人となってもらい、その後、後見人には、自分が任意後見契約書で定めた希望にそって内容を実現してもらったり、財産を守ってもらいます。そして、その際には、自分のもしものに備えて、死後事務委任契約、公正証書遺言等もセットで作成しておく方が良いでしょう。

なので、自分に判断能力がなくなった時・及びその後のもしもの時備えて
①自分の財産管理はこの人になってもらうという任意後見人の指定
②その任意後見人に、自分が生存する間、どのようにしてほしいかという希望
③自分の死期に際しては、どのようにてほしいかという希望
④自分の死後、財産をどのように分配し、そしてどのように遺品を整理してほしいという希望
を決めておけば安心です。

自分が納得する人生を、そして自分の思う人生を生き抜くためには、任意後見契約と言った準備をする事も、必要なことの一つのように思います。

今回は概略のみ簡単に書いていますが、任意後見、成年後見といった制度は、本当はもう少し複雑な制度です。いろいろと知ってみたいなと思われる方がいらっしゃいましたら、当事務所までご遠慮なくご質問下さいね。また、具体的なご相談等もメールでも承っていますので、「こんな事聞いてもいいのかな?」などというご心配はなしに、気軽にご相談下さい。

家族信託とは?

2012-11-05

さて、今日は、家族信託について少し書いてみようかと思います。

5月30日付けの日経新聞に 「家族信託で財産守る」 という大きな見出しがありました。サブタイトルは「遺言効果を生前から」です。

さて、さて…。

これまで信託といえば、お金持ちが信託銀行で財産を活用してもらうというイメージが強いのでは?と思います。ですが2007年に信託法が改正され、一般家庭の「自宅や老後資金」の財産管理や承継に役立つ、小規模な「家族信託」が可能となったのです。

まずは、「信託」の仕組み自体について見てみましょう。慣れない?パワーポイントで図を作成してみましたよ(^^;)

そもそも、信託とはどんな仕組みなのでしょう。なんとなく、字面からしてとっつきにくいですよね。信託とは、

①「委託者A=(財産の所有者)」が、「受託者B=(財産管理を行う人)」にAの財産の移転し、   ②Bは、その財産をAとの約束で決めた一定の目的に従って管理処分をし、   ③その財産から生じた利益は、「受益者C」に配当するという仕組みです。

例えば、Aの不動産を、Bが預かって運用又は処分をし、それによって得た現金をCに渡すという仕組みです。

ただ、信託業法上、信託の引き受けを営業として行う場合には、免許が必要となります。信託銀行や信託会社は、免許を持っています。ですが、財産を管理する受託者の不正行為を防止するために、金融庁の厳しい監督の下にあるので、この免許を取ることはなかなか難しいのです。

しかし、信託法の改正により、「営利を目的にしない場合」つまり、特定の1人から1回だけ信託を受託する場合には、受託者Bに信託業の免許は不要となりました。

例えば、母親の家を、長女に信託し、長女は母の自宅を管理しながら、母をその自宅に住まわせるということができます。このような信託をいわゆる「家族信託」といい、これが、財産設計の新しい形として注目されているのです。

さて、この「家族信託」にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

これまで、母親名義の家を、長男に渡そう、また管理してもらおうとする場合、3つの方法が考えられていました。

①母親の生前に家を渡す場合、まず生前贈与という形が可能です。

しかし贈与税が発生します。相続時精算課税制度などの制度もありますが、それに該当しない場合、贈与税は高額なものです。

②母親の死後に家を渡す場合、遺言があれば可能です。

しかし他の相続人からの遺留分の問題もありますし、死亡後にちゃんと遺言を執行できないと遺言の内容が実現しない等の恐れもあります。

③また成年後見制度という財産管理の方法もあります。

しかしこれは判断能力を失ったのちに、後見人に自分の財産管理をしてもらうものですから、母親に判断能力がある間は効力が生じませんし、母親が死亡した後の財産管理まではできません。

以上のように、これまでの方法では、母親が元気な間に、長男に家を渡そうと思うと、税金の問題が生じます。また税金の問題をクリアしたとしても、母親が元気な間に、家の名義を長男に渡すとなると、家に対する母親の権利がなくなるわけですから追い出されてしまう危険性もあります。

このように自分が元気な間に、財産の名義は他の人に移しておきたいが、その財産を自分の利益のために使ってほしいという、ある意味、良いとこどりを可能とするのが、「家族信託」なのです。

イメージ図はこんな感じです。

実は、家族信託は、信託法の改正により可能となった小規模な信託の一つの事例にすぎません。
その他にも、ペットへの相続を実質的に可能とする「ペット信託」や、伝統的な町並みを保全するための「まちづくり信託」、高齢などで将来財産管理が困難になることを見越して行う「福祉型信託」、障害や交通事故の被害者の方のための財産管理を目的とした信託等、さまざまな小規模な信託のスキームが考えられているようで、これらは総称して「民事信託」と呼んでいます。

このように、民事信託は、一般の家庭において、家族や親族が、将来自分の財産の事で争わないように、財産設計を生前にきちんと済ませたいという希望を法的に叶えることができるスキームといえます。信託は少し難しい制度ではありますが、その反面、使える制度だと思いますので、ご自身や、家族の生活設計を、一度、民事信託の観点から見直してみてはいかがでしょうか?

認知症高齢男性 投信販売で和解 大和証券600万支払い

2012-03-29

21年に家庭裁判所から成年後見開始決定を受けた男性が、成年後見前の15年まで年間240万円程度、18年には2社で5530万円にのぼる投資信託などの契約をしていた問題で和解が成立したという話題です。

記事全部はこちらから
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120329-00000113-san-soci

判断能力の低下に乗じて、さまざまなものを販売するケースが後を絶ちません。特に高齢のお一人やご夫婦の世帯が狙われてしまうことが多く社会問題ともなっています。 このケースでは21年に成年後見の開始決定を受けたことからその後は後見人が契約について正式な代理人となることができますので、適切な契約行為を行うことができるようになっています。

このようなケースを未然に防止するためにも、早めに任意後見制度を検討したいものです。
男性の代理人の言葉「同様の例はあるはずで、社会に警鐘を鳴らす事案になれば」という言葉には重みがあります。

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