契約してお金を払っただけでは不動産の権利を主張出来ない?~登記制度の役割~

2014-07-14

岩村です。

不動産の名義変更手続き代理させていただくことは、私たち司法書士の主な業務
の一つですが、何故不動産の名義変更はしておいたほうが良いのでしょうか。

1.名義変更登記をしておかないと自分の権利を主張できない。
2.名義変更の事実が生じた時に、その都度、名義変更登記をしておくのが、手続き的に
一番スムーズである。
ということがいえると思います。

【1について】
法律において、

 「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」(民法177条)

と規定されております。

 つまり、土地や建物を誰かに売った とか 贈与した というのは当事者間では合意だけで成立していますが、その合意のことを何も知らない他人には名義変更の登記無しには主張することができません。
小さくても、立派な庭付き一戸建て

具体的には、
(1) AさんはBさんに土地aを売りました。AさんとBさんは二人の間の合意・代金の授受のみで、登記手続きをしていませんでした。
(2) しばらくして、Aさんは何も知らないCさんに土地aを売り、Cさんへの名義変更の登記も済ませました。
(3) Bさんは何も知らずに土地aを購入し、登記も済ませているCさんに対しては、Bが先にAさんから買ったのだから、Bのものだ と主張することができません。

ということです。
Bさんのことを何も知らずに、お金を払い、登記も済ませたCさんに対して、突如現れたBさんからの 先に買ったからBのものだ という主張が通ってしまうのであれば、誰も不動産の取引を安心して行うことができませんよね。不動産の取引などの安全を確保するために、登記制度があるというわけです。
 
通常は売買のような大きな金額が動く取引においては、登記を済ませている場合がほとんどであると思いますが、(まれに知り合い間の売買などで、登記をしないままというのもあるようですが、登記はしておくべきです。)相続においても同様に名義変更の登記をしておくべきです。
 
 相続が開始すると相続人の皆さんで話し合いをなさり、不動産についても誰が引き継ぐかを決定なさることと思いますが、話し合いが終了すれば、登記はいつでもできるから安心してそのままということがあるかもしれません。

 しかし、この相続人間の話し合いの結果も、不動産については名義変更の登記を済ませていなければ、何も知らない他人に主張することはできないのです。

(1) 両親が亡くなり、相続人は長男Aさん、次男Bさんの二人でした。AさんBさん間の話合いで、土地aをAさんが相続することに決定しました。Aさんは、登記のことは後回しになり、つい名義変更をしないままでした。
(2) その後、Bさんは借金を抱え、返済できずにいました。
Bさんの債権者CさんはBさんの財産を調べ、Bさんの財産を差し押さえることにしました。
債権者Cさんは相続財産である土地aの存在を発見しましたが、話し合いでAさんが相続すると決まっていたことを知らなかったので、話し合いは行われていないものとして、土地aについても、Aさん2分の1、Bさん2分の1という名義変更登記を行い、Bさん2分の1について差し押さえてしまいました。
(3) Aさんが、ようやく名義変更登記をしようとしたところ、(2)の登記が既になされていることを知り、驚きますが、何も知らずに差し押さえをしたCさんに対しては、土地aは全て自分のものだよ と主張できません。

【2について】
このように、名義変更の登記をしていないと、自分の権利を主張できなくなるのですが、
他に、名義変更の登記をしておいたほうが良い理由として、
名義変更の登記をすべき事実が起こった時に名義変更手続きをとるのが手続き上一番スムーズである
ということが言えます。
 名義変更の登記をしないまま、ずっと放置すると、登記手続きをすべき当事者が変わってしまう上に、事実の確認も難しくなります。
 
例えば、売買や贈与の登記をしないうちに、当事者のうち一方、もしくは双方に相続が発生してしまうと、手続きをすべき人の確認から必要ですし、名義変更に必要な書類も増えます。そもそも当時の事実がはっきりと確認できる書類が無ければ簡単に登記手続きができません。

また、何代にもわたって相続による名義変更登記をしないままであった場合は、途中の相続において話し合いがあった事実だけ伝え聞いていたとしても、その書類が残っていなければスムーズに登記手続きはできません。話し合いがあった時の相続人の相続人などを調べて全員の印鑑をもらい、改めて話し合いをしたという書類を作る など気の遠くなるような事態も生じます。

名義変更の登記はいつでもできるようですが、いざ必要な時に行いたくても、すぐ名義変更登記手続きができないということがあるのです。

 長々となってしまいましたが、面倒でも不動産の名義変更登記はなるべく速やかに行っておきましょう。
 
 当事務所でも随時ご相談を承っております。
 
 さて、梅雨も終盤のはずですが、今週もすっきりしない空模様が続きそうです。
 蒸し暑かったり、肌寒かったりの日々が続きますが、体調に気をつけて今週も頑張っていきましょう。

http://soly.jp/内で提供される情報は細心の注意を払っておりますが、お客様自身の責任の基でコンテンツをご利用いただきますようお願いいたします。 また。具体的な案件に関しましてはお気軽にご相談ください。(TEL 082-511-7100)
メルマガ登録でセミナー動画を視聴しよう!

※司法書士法人SOLYのブログのまとめ、そして身近な法律の話題などを定期的にお届け致します。いつでも配信解除できますので、お気軽に登録ください。頂いたメールアドレスは、メールマガジンやお知らせの配信以外には利用いたしませんのでご安心ください。

メールアドレス
お名前(ニックネームでもOK)

  • ※3分で読める最新の情報を週刊でお届けします。
  • ※メルマガ読者だけの特別なお知らせをお届けします。

Youtubeチャンネル登録