新法人制度、LM法人とは?
ソリーです。
経済産業省を中心に新しい法人が検討されているという報道が日経新聞電子版でありました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H0L_X20C15A1EE8000/
LMとはローカルマネジメントの略。つまり地域をマネジメントするための法人という事です。
記事によると、この法人は非営利目的のNPO法人と、営利目的の株式会社の良いところを併せ持つ仕組みにするということです。非営利法人のメリットとしては、税制優遇を受けられるという事でしょう。逆に投資家に利益を分配できないという制約があります。
NPOの場合、寄付金を持ち寄って、公益事業と収益事業を行い、収益事業の利益で公益事業の運営費を賄うという形が従来から行われてきましたが、
収益事業に対する再投資ができません。
それに対し、ローカルマネジメント法人であれば、薬局・スーパー・ガソリンスタンド等、地域に欠かせない店舗等の収益事業に対し、店舗網を拡大したり改修したりといった再投資を可能にした上で、公益事業も一体的に運営するという形がとられます。収益が上がれば配当も得られるため、寄付ではなく投資として資金を集めやすいという面もあります。
具体的には、赤字路線を抱えるバスや鉄道等の第三セクターと、福祉施設等を運営するNPO法人が統合して移行するということを想定しているようです。
地方経済は人口の現象や高齢化により大きな課題に直面しています。従来の奉仕や福祉という側面だけでの支援ではなく、経済を活性化させるための方策が求められているという事でもあるのかもしれません。投資をして配当を得るという事をもって、投資家を利するだけというような意見もあるかもしれませんので、実際の法整備までには議論をしていかなければならないでしょう。
また、ちょっと今回の法人とは違いますが、投資を社会的事業に活かすという意味では、公共サービスに対し投資をし配当を得るという「ソーシャルインパクトボンド」という金融スキームが成功を収めている事例もイギリスにあります。
LM法人について詳しくは経済産業省の資料 ローカル経済圏の「稼ぐ力」創出 という資料も合わせてご覧ください。
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/kaseguchikara/pdf/006_03_00.pdf


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