実務上気になる、3つの改正等

2015-02-03

ブログ執筆からは長らく離れておりました、上内です。
今日のブログは備忘録的に使わせていただきます。

というのもここ数カ月で興味深い変更(予定も含む)が3つほどありましたので、
自分自身の整理のためにもブログに残しておく必要があると感じたからです。

1.登記識別情報通知書の様式の変更(追加)

今回登記識別情報通知の英数字12桁の暗号に加え、QRコード(二次元バーコード)が追加されるようです。(法務省の見本

これが何の役に立つかと言うと、今まで申請の際に手で打っていた12桁の英数字に代え、

スーパーのレジみたいに何らかの読み取り装置でQRコードを読みとる(予想)ことで、
英数字の入力の手間が省けるということです。

それだけです。

(現・登記識別情報通知)
登記識別情報

更にもうひとつ変更があり、

従来のように目隠しシールで暗号部分とQRコード部分を隠すのではなく、

折り込み式で情報を隠した上で通知書が発行されるみたいです。

折り込み式とは一体どんなものかと申しますと、つまりは週刊誌等によく見られる袋とじ状態です。

ミシン目に沿って、はやる気持ちを抑えつつ、ビリビリと慎重に紙を破ると、隠された秘密の情報が見られるわけです。

この変更は目隠しシールをはがす際に糊づけが強すぎて、シールをはがしてもシールの裏の紙がひっついたままになり、

12桁の英数字が一部読めないという悲劇的な事態が起こったことからの反省ではないでしょうか(平成21年10月以降の発行分は改善されていて、気持ちよくはがれます)。

この変更は全国で行われますが、平成27年度末までに順次変更される予定で、

広島県等の一部都道府県は全国に先駆けて今年の3月ごろから始まるみたいです(予定)。

2.休眠会社のみなし解散を毎年実施

みなし解散は、役員変更などの登記が一定期間以上行われない休眠会社を、法務省の判断で解散させる制度です。

これが今までは5~12年おきに実施されていたのが、平成27年度から毎年実施されるようになりました。

昔は登記簿の電子化が進んでなく、ひとつひとつの会社を手作業で確認していたため、どうしても時間がかかり、

数年おきが限界でしたが、平成20年に登記のオンライン化が完了し休眠会社の調査が容易になったこともあり、

毎年行うようになったようです。

また、毎年実施されることのもう一つの理由としては、休眠会社が犯罪の温床になっているとの指摘です。

以前私が処理した事案で大正11年設立の会社を解散・清算結了までさせていただいたことがあります。

その際に依頼者さんから

「これだけ長いこと動いてない会社なら、何をされてもわからん」
「判子さえあれば悪いことされるな」

と危機感を表しておられました。

事実、会社を新たに設立するよりも休眠会社を売買する方が低コストで審査が甘く、

脱税や詐欺事件の道具として使用されることもあるそうです。

3.商業登記規則の一部改正(施行期日は2月予定

※今日、法務省から正式に施行期日は2月27日とお知らせがありました。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00085.html

簡単に説明すると以下のようになります。

①取締役、監査役の就任の際に住民票の写し等を添付する
②代表取締役の辞任の際に個人の印鑑証明書の添付か、会社実印の押印
③役員の旧姓の併記も可能

やはり添付書類等が変更になると、司法書士としてもこの改正はビッグニュースですよね。

しかも商業登記では一番登記頻度の高い役員変更に関するものですから。

①取締役、監査役の就任の際に住民票の写し等を添付する

今までは、取締役会設置会社だと取締役の就任の際には何の公的証明書も必要なかったのですが、

今回の改正から住民票等の写しが必要になりました。
(2/3追記 運転免許証の写しでも原本認証することで添付書類とすることができます。)

監査役の就任に関しても同様です。

非取締役会設置会社においてはそもそも取締役の就任には印鑑証明書の添付が必要ですので、これに加えて住民票の提出は必要ないみたいです。

つまりは役員就任の申請の際、公的証明書でその役員が実在することを証明してくださいというわけですね。

もちろん設立のときも必要です。

なぜこのような改正になったかというと、

皆さん想像のとおり実在しない架空の取締役を登記したり、

他人の氏名を冒用したりするケースがあったようです。

そして改正を大きく後押ししたのが以下の委員会の建議のようです。

消費者委員会「詐欺的投資勧誘に関する消費者問題についての建議」
http://www.cao.go.jp/consumer/iinkaikouhyou/2013/0806_kengi.html

○ 建議事項2(4)
法務省は、代表権を有しない取締役等の登記の申請に当たり、他人や実在しない者の名義が冒用される事例の把握に努め、その結果を踏まえ、登記事項の真正を担保するための所要の措置の要否を含め、対応策について検討すること。
(参考文献:司法書士内藤先生のブログ
http://blog.goo.ne.jp/tks-naito/e/a124bc00e33bf50df6b196e9ed963d41 )

②代表取締役の辞任の際に個人の印鑑証明書の添付か、会社実印の押印

従来、代表取締役の辞任の際の辞任届の押印は何でも良かったわけですが、

改正後は印鑑の提出をしている代表取締役(印鑑届のある取締役含む)は個人実印の押印か会社実印での押印が必要になるようです。

個人実印を押印した場合は印影の確認のため印鑑証明書を添付しますが、

会社実印の場合は法務局でその印影の照合ができますので、

あえて会社の印鑑証明書を添付する必要はありません。

これもまた、代表取締役の辞任が本人の意思によるものかどうか、

書類は偽造されたものではないかどうかの、真実性の確保のためだと思われます。

私の感想としましては、個人実印の押印・印鑑証明書添付で真実性は確保できるのは確かですが、

会社実印の押印でも替えられることができるとなると、

真実性の担保という意味ではその意味が希薄になる気がします。

というのも会社の、会社実印の管理方法次第では、

代表取締役本人以外の人間が会社実印を押すことができる状態になっているかもしれないからです。

ただ、やはり書面での審査ということに限って話をすると、

会社実印を押す権限を持つ人間(代表取締役)が会社実印を押印しているということは

即ち代表取締役の意思に他ならないわけであるので、

こういった取扱いになるのも仕方のないことかな、とは思います。

(2/3追記 法務省のHPも「通常 代表者が管理」という書き方をしてます。)

③役員の旧姓の併記も可能

これについては、説明は要らないと思いますが、どういう記載方法になるのかは興味があります。

取締役  法 務 花 子  平成27年2月2日就任
    (旧姓 甲 野)  平成27年2月2日登記

みたいな感じが現実的ですかね?
それとも

取締役  法 務(甲 野) 花 子 平成27年2月2日就任
                  平成27年2月2日登記

とかかもしれませんね。

(2/3 追記)
正解は以下のようになるようです。

取締役  法 務 花 子(甲 野 花 子)
                     平成27年2月2日就任
                     平成27日2月2日登記

以上のように今回の変更というものは、より不正な登記や不正な事件につながるものを極力無くそうというものです。

添付書類に含まれないから、といった理由で裏を取らないと本当に知らない間に犯罪の片棒を担がされているかもしれませんね。

今回の改正等を機に、より一層注意を払っていきたいと思います。

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